ダイレクトボンディング

「プラスチックの詰め物なら保険でやったことがある」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、保険適用の「コンポジットレジン充填（CR充填）」と、自費診療の「ダイレクトボンディング」は、目的も品質も全く異なります。

目的の違い

保険診療が虫歯を取り除くといった「機能回復」を主目的とするのに対し、ダイレクトボンディングは機能回復に加えて「審美性の回復・向上」を最重要視します。

材料の違い

保険診療で使えるレジンは色調に限りがあり、単色での充填が基本です。
一方、ダイレクトボンディングでは、数十種類の色と透明度を持つ最高品質のレジンを使い分け、天然歯と見分けがつかないほどのグラデーションを再現します。

時間と手技の違い

ダイレクトボンディングでは、1本の歯に対して60分以上の時間を確保し、マイクロスコープ（歯科用顕微鏡）やラバーダム（唾液の侵入を防ぐゴムのシート）といった専門的な器具を用いて、接着の精度と耐久性を極限まで高めます。
この技術と時間が、保険診療との価格差の理由です。

ダイレクトボンディングは、もう1つの審美歯科治療である「セラミック治療」とも異なる特徴を持っています。

治療方法の違い

セラミック治療では、歯を削って型取りを行い、技工所で作製されたセラミックを後日装着します。
一方、ダイレクトボンディングは、歯科医師がその場で直接レジンを盛り付けて形を整える「直接修復」です。
通院回数が1回で済むことも多く、時間的なメリットがあります。

歯を削る量の違い

セラミック治療では、補綴物を装着するために健康な歯質もある程度削る必要があります。
対してダイレクトボンディングは、必要最小限の削合で済むため、「歯をなるべく削りたくない」という方に適しています。

修復後のメンテナンス性の違い

セラミックは経年劣化が少なく、長期的に安定した美しさを保ちやすい素材です。
ただし、欠けたり外れたりした場合の修理は再作製が必要になることもあります。
ダイレクトボンディングは多少の色の変化や摩耗はあるものの、歯科医院での再研磨や追加修正がしやすいという利点があります。

費用の違い

セラミック治療は技工物の作製費用が含まれるため、費用は比較的高めになります。
ダイレクトボンディングはそれに比べて費用を抑えられるケースが多く、「見た目も大事にしたいけれど、コストも気になる」という方におすすめです。

自身の悩みと似たケースの治療実績（ビフォーアフター写真）を確認しましょう 。
歯と詰め物の境目が自然か、色合わせが精確か、形態が美しいかなどが判断基準です。

マイクロスコープやラバーダム防湿を標準的に使用しているかは、治療の精度と品質に対するクリニックの姿勢を示す重要な指標 です。

あなたの希望をじっくりと聞き、ダイレクトボンディングだけでなく他の選択肢も含めて、それぞれの利点と欠点を正直に説明してくれる歯科医師を選びましょう 。

治療前に明確な費用を提示してくれることはもちろん、治療後の保証制度が整っているかも確認しましょう。
保証は、クリニックの技術に対する自信の表れでもあります 。

シーク歯科・矯正歯科では、これらの条件をすべて満たし、患者様一人ひとりのお悩みに真摯に向き合い、最適な治療法をご提案いたします。
歯への負担を最小限に、美しく自然な口元を手に入れたいとお考えでしたら、ぜひ一度当院にご相談ください。

ダイレクトボンディングは、保険の適用外となる自費診療です。
これはどの歯科医院でも共通で、保険制度の仕組みにより国によって明確に定められているため、医院ごとに取り扱いが異なることはありません。

保険診療では、使える材料や治療方法に制限があり、虫歯の治療など「機能の回復」を最優先とする最低限の処置が基本となります。
それに対して、ダイレクトボンディングは「見た目の美しさ」や「自然な仕上がり」までを重視する審美治療であり、使用するレジンの種類や色調、治療にかけられる時間、器材、そして技術の自由度が高く、保険診療では実現できないクオリティを追求することができます。

専門的な器具を駆使しながら、歯をなるべく削らずに、天然歯と見分けがつかないほどの美しい修復を可能にするのがダイレクトボンディングの特長です。
審美性を大切にしたい方にとって、自費診療という枠組みだからこそ得られる理想的な仕上がりが期待できます。

ダイレクトボンディングで使用するレジンは、セラミックなどに比べて多少の吸水性があるため、時間の経過とともにわずかに変色する可能性があります。
特に、コーヒーや赤ワイン、カレーなど色素の強い飲食物を頻繁に摂取される方は、定期的なクリーニングや研磨によるメンテナンスをおすすめします。

天然の歯やセラミックに比べて、レジンはやや柔らかい素材のため、強い力が加わると欠けたりすり減ったりすることがあります。
特に、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方は、ナイトガード（マウスピース）の装着をご提案する場合があります。

ダイレクトボンディングは、歯の一部分の修復や形の修正に適した治療法ですが、欠損が大きい場合や咬み合わせに強い力がかかる部位では、セラミックなど他の治療法をご提案することもあります。
適応かどうかは、お口の状態を診たうえで判断いたします。